再生可能エネルギーの発電事業などを巡る融資金詐取事件を巡り、東京地検特捜部に所属していた検事に取り調べで侮辱されたとして、詐欺罪などで起訴された被告が検事を特別公務員暴行陵虐容疑で東京高検に近く刑事告訴することが分かった。弁護人が13日、明らかにした。

被告は詐欺と会社法違反(特別背任)の罪で起訴された太陽光発電事業のテクノシステム(東京・港)の社長、生田尚之被告(50)。特捜部は2021年5月、生田被告を詐欺容疑で逮捕した。被告は現在も勾留されている。

告訴状によると検事は被告を41日連続で計200時間以上にわたって取調室にとどめ置き、威迫や侮辱するなどして重い精神的苦痛を与えたと主張。「犯行を反復・継続するなど極めて悪質」と訴えている。

特別公務員暴行陵虐罪は警察官や検察官が取り調べをする際に暴力を振るったり侮辱したりした場合に適用される。

生田被告は民事訴訟も起こしている。検事から黙秘権や人格権を侵害する違法な取り調べを受けたとして、国に1100万円の損害賠償を求め24年7月に提訴した。

訴状によると、被告は黙秘権を行使する意思を示したが、検事から「なめたらあかんわ」「検察庁を敵視するのは反社や」と言われ、弁護人が検察側に苦情を申し出た後に怒鳴りつけられたと主張している。

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