転覆し船体の一部のみが海面から出た海上自衛隊の掃海艇「うくしま」(11日午前0時25分、福岡県宗像市沖)=福岡海上保安部提供・共同

10日午前9時50分ごろ、福岡県宗像市の大島の沖合約2.5キロで、海上自衛隊の掃海艇「うくしま」から「エンジンルームから火災が発生し、1人取り残されている」と第7管区海上保安本部(北九州)に通報があった。現場では消火活動が続けられたが火は消えず、翌11日午前0時5分ごろ転覆した。

海自は3等海曹(33)の所在が確認できないと発表。準備が整い次第、捜索に当たるとしている。

海自トップの斎藤聡海上幕僚長は10日夜、防衛省で記者会見し「国民の皆さまに非常に心配をおかけしている」と述べた。海上幕僚監部内に事故調査委員会を設置し、原因究明を急ぐ。

海保などによると、10日午後2時ごろ、消火に当たっていた海自掃海艇「とよしま」から鎮火したとの連絡があったが、約50分後に再燃が確認された。

海保と海自が救助と消火活動に当たったが、火勢が強く消火困難となり、午後3時45分ごろ、乗員はとよしまに退避した。20代男性が煙を吸って喉の痛みを訴え、病院に運ばれたが命に別条はない。

うくしまは11日朝の時点で沈んで一部が見える状態という。

海自によると、うくしまには約40人が乗船。10日午前に山口県下関市の基地を出港し、日向灘で行う掃海訓練に参加するため、訓練をしながら鹿児島県の志布志港に向かっていた。3曹と搬送の男性はいずれも機関員で、出火当時、火元とみられるエンジンルームの当直だった。

うくしまは全長54メートルで、海自下関基地隊(山口県)所属。掃海艇は海中の機雷除去を主な任務とする。〔共同〕

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。