同性婚を認めない民法と戸籍法の規定は憲法に違反するとして、東京都内の同性カップルら7人が国に計700万円の損害賠償を求めた東京1次訴訟で、原告側は8日、現行法令は「違憲」とした上で賠償請求を退けた東京高裁判決を不服として上告した。

◆「結婚できる希望を持ち、生きていける国に」

 上告後、原告らは記者会見し、大江千束さん=60代、中野区=は「最高裁は、国会がただちに立法を進める判決を出してほしい」と訴えた。大江さんと30年来のパートナーの小川葉子さん=同=は「健康不安を抱え、私たちには時間がない。若い世代の方も結婚できる希望を持ち、生きていける国になってほしい」と早期の判断に期待を示した。

上告後に記者会見する小川葉子さん(右)と大江千束さん

 10月30日の東京高裁判決は、同性婚を認めない現行法の規定は「性的指向による差別的取り扱い」と認め、「法の下の平等」を定めた憲法14条と、「個人の尊厳などに立脚した婚姻・家族の立法」を求める24条2項に違反すると判断した。  一方で、違憲性を巡り各地の裁判所の判断が分かれ、最高裁が統一判断を示していないことから、国会が同性婚を法制化していないことが違法と言えないとして賠償請求は退けた。  同種訴訟は全国5地裁で6件起こされ、東京高裁判決は2件目の控訴審判決。1件目の3月の札幌高裁判決も違憲としつつ賠償請求を退け、原告側が上告している。(加藤益丈) 

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