自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、政治資金規正法違反容疑で告発され、不起訴となった世耕弘成衆院議員の政治団体の会計責任者だった男性について、東京第5検察審査会は4日までに、「悪質性は相当程度高い」として「不起訴不当」と議決した。議決は10月9日付。

一連の裏金事件で、検審の議決は初とみられる。東京地検特捜部は再捜査し、改めて刑事処分の可否を判断する。

一方、世耕氏本人については「不起訴処分を覆すに足りる理由がない」として「不起訴相当」とした。

同氏と男性は、共謀して資金管理団体の2018~22年収支報告書に、旧安倍派からの還流分計1542万円を収入として記載しなかったなどとして告発された。東京地検特捜部は5月、世耕氏を嫌疑不十分、男性を起訴猶予で不起訴とした。

議決では、不記載額が同種事案に比べて多額とまでは言えないとした特捜部の判断に関し、「極めて影響力の強い旧安倍派が所属議員の政治団体に指示した組織的犯行で、会計責任者という重責を担うべき立場にある男性について他の事案と同様に考えることはできない」と指摘。「1542万円は一般市民の感覚からすれば極めて高額で、刑事責任を負うべきだ」とした。

世耕弘成氏=4月4日、国会内

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