首都圏を中心に相次ぐ強盗事件では、戸建て住宅が狙われる事例が目立つ。一連の事件との関連はまだ分からないが、2日にも東京都葛飾区の戸建て住宅で緊縛強盗事件が起きた。いつ被害に遭うかわからない不安の中、どんな対策ができるのか。一般社団法人「日本防犯学校」の防犯アナリスト、桜井礼子さん(62)は対策のキーワードに「音」「光」「時間」「人の目」「通報」を挙げる。
まず敷地に入られても、犯行をためらわせるための対策。桜井さんによると、「音」が鳴る防犯砂利や人が近づくと「光」るセンサーライトがあれば、異変にいち早く気づける。犯人側も摘発を恐れ、侵入をためらう可能性がある。
室内に入らせない対策も重要だ。一連の強盗事件でもガラスを割られて侵入されるケースがあり、シャッターや格子を設置すれば侵入に「時間」をかけさせることが可能だ。防犯ガラスを使ったり防犯フィルムをガラス全面に貼ったりして、割られにくくするのも一定の効果はある。防犯性能が高い証しの「CPマーク」が付いた商品が特にオススメという。
桜井さんは、そもそも敷地への侵入をためらわせる対策も提案する。ブロック塀などではなく見通しの良いフェンスであれば、周囲の「人の目」に触れる可能性がある。高さは簡単に乗り越えられないようにするために、2メートルほどがいいという。
また、門扉は、室内から開けられるオートロックの電子錠が便利だ。業者を装う強盗事件もあるため、宅配ボックスの設置も有効だという。
敷地に入ろうとする人物に反応して音や光を発し、住民のスマートフォンに映像を送るAIカメラも効果的。敷地内に設置すれば、早期に不審者に気づいて警察に「通報」できる。
それでも室内に侵入されてしまったらどうすればいいのか――
桜井さんは、警察に通報できない状況でも、ボタンを押せば親族などに知らせられる機器の利用を勧める。腕時計やペンダントなど色々なタイプがあるという。桜井さんは「費用はかかるが命にはかえられない」と強調する。
これだけ対策を徹底しても、室内で犯人と出くわすリスクはゼロではない。「命が最優先。絶対に抵抗はしないでほしい」と桜井さん。被害を最小限にするため、自宅内に多額の現金や貴金属は置かず、銀行の貸金庫を利用してほしいという。(板倉大地)
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