日本航空の客室乗務員がJRの列車に乗り込み、沿線の魅力を伝えながら、機内サービスのような手厚いおもてなしをするツアーが人気だ。新型コロナウイルス禍をきっかけに、JR北海道と手探りで始めた取り組みが定着。JR西日本やJR九州にも広がり、業績向上につながる事業へと成長している。 「苫小牧市はホッキ貝の水揚げ量が23年連続、日本一を誇ります」。10月24日、札幌駅を出発した列車でマイクを握るのは、日航の客室乗務員小林恵理子さん(50)だ。札幌市に昨年移住し、地元の魅力を発信する「JALふるさとアンバサダー」として地域活性化に取り組む。 ツアーは函館などを経由して道南を一巡り。夫婦で参加した川崎市の小林清美さん(62)は「街の紹介が聞きやすく、沿線のことを知ることができてわくわくした」と満足そうだった。車内では、機内で体をほぐすオリジナル体操を披露するなど飽きさせない工夫も凝らした。 日航とJR北海道の共同ツアーは2021年に始まり、これまでに計17回開催した。今年は600人以上が参加した。
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