栃木県那須町の河川敷で先月16日、会社役員夫妻の焼損した遺体が見つかった事件で、栃木県警と警視庁の捜査本部は1日、実行役とみられる韓国籍の姜光紀(カングァンギ)容疑者(20)=住居、職業不詳=を死体損壊容疑で逮捕し、発表した。認否を明らかにしていない。事件での逮捕者は3人目。

 捜査本部は、姜容疑者が事件発覚前夜、別の20代の男と一緒に夫妻と接触したとみており、夫妻の死亡の経緯についても詳しく聴く方針。捜査本部は、残る20代の男についても逮捕状を取り、指名手配している。

 捜査本部によると、姜容疑者の逮捕容疑は4月16日未明から朝までの間、会社役員の宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)=東京都千代田区=の遺体に火を付け、損壊したというもの。

 捜査本部は4月29日に指示役の佐々木光容疑者(28)=住居、職業不詳=を、21日に仲介役の建設業平山綾拳容疑者(25)=埼玉県越谷市=を同容疑でそれぞれ逮捕していた。

 平山容疑者は東京都品川区内のコンビニエンスストアで事件前日の15日夜、自分の車を姜容疑者らに引き渡したことが確認されていた。その後車は同区内の空き家に移動し、16日午前0時ごろにこの空き家で夫妻と接触。車はその後、栃木に向かっていた。

 平山容疑者は捜査本部の調べに、「遺体の処理を頼まれ、2人に依頼した。空き家に行くよう伝えた」と供述。2人については「知人だがニックネームしか知らない」と話していた。捜査本部は姜容疑者が2人のうちの1人とみて、27日に逮捕状を取得。行方を捜査したところ、30日午後に神奈川県内で身柄を確保し、任意で事情を聴いていた。

 宝島さん夫妻と接触した空き家のガレージからは血痕が見つかり、車からは幸子さんの血痕や免許証のほか、結束バンド、粘着テープが見つかっている。捜査本部は姜容疑者らが夫妻の殺害についても事情を知っているとみて調べる。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)

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