能登半島地震では、水道管などに被害が出て最大でおよそ14万戸が断水し、避難所で水が使えないケースも相次ぎました。

これを受けて国土交通省は、全国を対象に避難所や病院、自治体の庁舎、警察署や消防署など、災害時に重要な拠点となる施設につながる水道管などで耐震化がどれだけ進んでいるか、ことし3月末時点の実態を調査しました。

その結果、避難所などの重要施設につながる水道管の耐震化率は
▽上水道が39%
▽下水道が51%だったほか
▽下水側にあるポンプ場は44%でした。

そして、上下水道が整備されている地域にある全国の重要施設およそ2万5000か所のうち、上下の水道管がともに耐震化されている施設は3600か所余りと15%にとどまっています。

また、重要施設に直接つながっていない部分では、
▽河川から水を取り込む「取水施設」が46%
▽「浄水施設」が43%
▽浄水施設からの水をためる「配水池」が67%
▽下水側の「ポンプ場」が46%、「下水処理場」が48%で
▽これらの水道施設をつなぐ水道管の耐震化率は、場所によって34%から72%となっています。

今回の調査では、上水道の水道管については、水道管自体の耐震性能に加え地盤なども考慮して評価し、そのほかについては大規模な地震が起きた際にどれだけ稼働できるかを評価し、耐震化率として示したということです。

また、能登地方の七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町の6市町については、災害対応のため集計には入っていないということです。

国土交通省は、都道府県別や全国の市町村別の調査結果をホームページで公表するとともに、水道施設の事業者や管理者に対し、来年(25年)1月までに耐震化計画を策定するなどの対策強化を呼びかけています。

斉藤国交相「地域の取り組みを技術的・財政的に支援」

調査結果を受け、斉藤国土交通大臣は閣議のあとの記者会見で「上下水道施設の耐震化が非常に遅れていることが改めて確認された。地域の取り組みを技術的・財政的に支援しつつ、上下水道の耐震化を計画的・集中的に進め、強じんで持続可能な上下水道システムの構築を図りたい」などと述べました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。