文部科学省が31日に発表した2023年度の児童・生徒の問題行動などの調査で、都内公立学校のいじめ認知件数は6万9752件(前年度比3438件増)と過去最多だった。いじめ防止対策推進法が定める「重大事態」と判断された件数は、前年度までの40件台から2倍超の107件に急増した。

◆暴力行為も過去最多、小中不登校は11年連続最多更新

 都教育庁は「軽微なケースも見つけて対応しているのが全体数増加の要因」とみている。重大事態の増加の背景については、教育現場で同法への理解が進んだことなどを挙げた。  いじめの認知件数は小学校で6万2755件(同3398件増)、中学校6822件(同19件減)、高校は147件(同84件増)、特別支援学校は28件(25件減)だった。  小中学校では9割以上の学校がいじめを認知。「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が多かった。発見のきっかけで最多は、小中学校が「アンケートなど学校の取り組み」、高校は「本人からの訴え」だった。  都は対策として、年3回以上のアンケートなどを続けるほか、新たに重大事態になった要因や共通課題を基に研修を検討する。  暴力行為の発生件数も、前年度より440件増の3332件と過去最多に。学年別では小学4年、中学1年、高校2年が多い。  また、小中学校で年間30日以上欠席した「長期欠席児童・生徒」のうち、病気や経済的理由などを除いた不登校の児童生徒数は3万1726人(前年度比4814人増)と11年連続で増え、過去最多となった。都教育庁の担当者は「無理に行かせないという保護者の意識の変化や、多様な学びの場の広がりなどが背景にある」と話した。結果は都教育委員会のホームページに掲載する。(奥野斐) 

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