トルコの少数民族クルド人へのヘイトスピーチ(憎悪表現)が激化する中、子どもたちの「避難所」になるような常設の日本語教室をつくるためのクラウドファンディングが好調だ。設定した目標額は500万円だったが、実際には…。(池尾伸一)

クルド人の学生アランさん(左、仮名)から日本語を教わるクルド人の子ども=埼玉県川口市のメタノイアの教室で

◆「国籍関係なく子どもたちは日本の未来」と応援コメント

 クラウドファンディングは、東京都のNPO「メタノイア」が9月20日に始めた。10月31日午前11時までに計547人が寄付し、目標額500万円を上回って約600万円に達した。  寄付とともに、コメントも寄せられている。  「国籍関係なく子どもたちは日本の未来。明るい未来の一助になれば」  「川口市民です。私の地域の大切な子ども達を守りたい。私たちは同じ社会に生きる隣人です」。  クルド人に対しては、子どもたちまで盗撮の標的にされるなど差別が苛烈さを増しているだけに、懸念の声が相次いだ。

◆目標を上方修正

 メタノイア代表理事の山田拓路さんは「増殖していくヘイトスピーチに対し、これだけ多くの方が抵抗を示してくれた」と喜び、「難民や移民にルーツを持つ子どもたちや家族が『心のよりどころ』にできる場所をつくりたい」とコメント。クラウドファンディングの締め切りは10月31日午後11時までだが、急きょ目標額を700万円に引き上げた。

メタノイア代表理事の山田拓路さん=埼玉県川口市で

 常設教室としては、クルド人の子どもらを対象に9月から開設した埼玉県川口市内の教室と、ウクライナ避難民や中国人が多い東京都足立区の拠点を予定する。  日曜日を除き、基本的に毎日開く。日本語のほか、一般の教科も教えるほか、子どもたちの相談係も兼ねた外国出身の先生たちにも在籍してもらう計画だ。  クラウドファンディングの詳細はメタノイアのホームページへ。 

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