東日本高速道路の由木(ゆき)文彦社長は30日の定例記者会見で、東京都調布市の東京外郭環状道路(外環道)の大深度地下トンネル工事で発生した陥没などに伴う地盤補修について「想定していた2年では終わらない」との見解を示した。同社はこれまで、2022年12月の着工から2年程度で終えるとしていた。

記者会見する東日本高速の由木文彦社長=30日、東京都千代田区で(梅野光春撮影)

 由木社長は、補修エリアの住民の移転契約が9割にとどまるほか、振動・騒音対策を追加したため「地盤改良のためのくいを打つ作業そのものが遅れている」と説明。終了時期は「精査しており、明らかにできるようになればお知らせする」と述べるにとどめた。  補修のためセメントなどとともに地盤に注入した空気が地中に広がり、近くを流れる川では気泡が確認されている。気泡は酸素濃度が低く、人体に有害な「酸欠空気」の可能性があるという住民らの指摘に対し、由木社長は「気体をその都度計測し、状況を現地で掲示している」と否定した。  今月で発生から4年が経過した陥没事故後、中断しているトンネル掘削の再開については「申し上げられることは何もない。まったくめどは立っていない」とした。(梅野光春) 

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