アメリカではことし3月以降、各地の酪農農場の乳牛で高病原性のH5N1型の鳥インフルエンザウイルスの感染が広がり、ヒトへの感染も確認されています。
東京大学新世代感染症センターの河岡義裕特任教授らのグループは牛から感染したとみられる人から採取したウイルスを使い、イタチの仲間のフェレットで感染の広がりやすさや病原性などを調べました。
感染したフェレットと感染していないフェレットを互いに接触しないよう5センチほど離した飼育用のかごに入れたところ、飼育を始めて5日後までに感染していないフェレット6匹のうち2匹からウイルスが検出され、飛まつで感染したとみられています。
はじめに感染させるウイルスの量を10万分の1まで減らしても、別のフェレットに感染したということで、飛まつで広がりやすくなっている可能性が示されたということです。
また、以前行われた牛から採取したウイルスに感染させる実験では、実験期間中に死んだフェレットはいませんでしたが、今回、ヒトから採取されたウイルスに感染させたフェレットは5日前後で死んだということで病原性も強まっている可能性があるとしています。
現在、乳牛で流行しているウイルスはすでに別の変異のものに移行しているということですが河岡特任教授は「動物実験ではわずかなウイルス量でも感染し、病原性も強いことが示されていて、非常に注目しなければならないウイルスだ。ウイルスがどのように変異しているか流行状況を調べ続けることが重要だ」と話しています。
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