政府は29日、2024年版自殺対策白書を閣議決定した。23年の小中高生の自殺は513人で、過去最多だった前年514人と同水準。22〜23年の事例で自殺未遂歴があった子を分析すると、自殺から過去1年以内に未遂があったのが過半数を占めた。特に、小学生と高校生の女子では未遂から1カ月以内の自殺者が目立った。

厚生労働省担当者は「身近な大人が子どもの微妙なサインに気付き、不安や悩みに耳を傾けることが重要だ」と話す。

福岡資麿厚労相は29日の記者会見で「全体の傾向としても、男性に比べ女性は未遂者の割合が約2倍。自殺を防止するため、未遂者への支援を強化したい」と述べた。

09〜21年の事例の原因・動機分析では小学生は「家庭問題」の割合が高く、家族からの叱責や親子関係の不和がみられた。女子高校生に多かったのは「健康問題」で、病気の悩みなどがあった。男子の中高生や女子中学生では、学業や進路の悩みなどを含む「学校問題」が目立った。

23年の全体の自殺者数は2万1837人で、前年比で44人減少した。男性(1万4862人)は2年連続で増え、女性(6975人)は4年ぶりに減った。〔共同〕

■相談窓口
・日本いのちの電話連盟
電話0120・783・556(午後4時〜9時)
電話0570・783・556(午前10時〜午後10時)
https://www.inochinodenwa.org/
・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」やSNS相談
電話0570・064・556(対応時間は自治体により異なる)
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
・東京自殺防止センター(NPO法人国際ビフレンダーズ)
電話03・5286・9090(午後8時〜午前2時半)
https://www.befrienders-jpn.org/
・よりそいホットライン
電話0120・279・338(24時間対応。岩手、宮城、福島3県は末尾3桁が226)
https://www.since2011.net/yorisoi/

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