5年前、学校法人の土地取引をめぐる横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴されその後、無罪が確定した大阪の不動産会社の元社長、山岸忍さん(61)が、国に賠償を求めている裁判では、当時捜査に当たった田渕大輔検事が山岸さんの元部下に行った取り調べの違法性が争点となっています。

29日、大阪地方裁判所で開かれた裁判で山岸さん側は「特捜部の見立てにあった供述を得るために違法な取り調べが行われ、捜査を指揮した主任検事もこれを容認していた」などと主張し、組織的な違法行為だと訴えました。

これに対し国側は、「主任検事が取り調べの録音・録画の映像をすべて見ていたわけではない」などと反論しました。

この事件の録音・録画をめぐっては、最高裁判所が10月16日、およそ18時間の映像の開示を命じる決定をしました。

開示が決まった映像には、田渕検事が「検察なめんなよ」と発言したり机をたたいたりする様子など、これまで法廷で再生されていない場面が含まれていて、弁護団によりますと、12月20日に開かれる次回の裁判で一部が法廷で流される見通しだということです。

また、田渕検事については、山岸さんが行った「付審判請求」が認められ、元部下を大声で罵倒したなどとして特別公務員暴行陵虐の罪で刑事裁判が開かれることになっています。

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