政府は29日、運転免許証とマイナンバーカードを一体化した「マイナ免許証」を2025年3月に導入すると閣議決定した。更新や住所変更手続きの利便性が高まる。現行の免許証は廃止されず、マイナ免許証と両方持つこともできる。
警察庁は同日、マイナ免許証導入のため関係規則などの改正内容を決めた。25年3月24日から免許センターや一部警察署で交付を申請できる。
一体化では、免許証のICチップに記録されている▽免許保有者の写真▽有効期間▽免許の種類▽眼鏡の着用などの条件――といった情報をマイナカードのICチップに加える。マイナカードの券面の表示は変わらない。
マイナ免許証は自治体で住所変更の手続きをすると、本人の同意に基づき警察庁のシステムに変更内容が反映されワンストップで済む。免許更新時の講習はオンラインで受けられる。写真撮影や視力検査は引き続き免許センターなどで実施する。
手数料はマイナ免許証のみ保有する場合が最も安く、新規取得にかかる手数料は現行の2050円から1550円に、更新の場合は現行の2500円から2100円に下がる。現行の運転免許証のみ持つ場合の手数料は新規取得時が2350円、更新時が2850円になる。
マイナンバーは国や自治体が社会保障と税の個人情報を効率良く管理する目的で16年に導入された。ICチップに個人情報を内蔵したマイナカードは9月末時点で約9388万人が保有し、人口に占める割合は75.2%に達した。
健康保険証を一体化した「マイナ保険証」は21年から本格導入され、24年7月末時点でカード保有者の80%が登録した。政府は現行の保険証について、12月に新規発行をやめ原則廃止とする方針を示している。
【関連記事】
- ・「マイナ免許証」どう変わる? 2つの利点、注意は更新
- ・データでみる衆院選公約 マイナ活用、選挙後も火種に
- ・福岡資麿厚労相、紙の健康保険証「12月廃止を堅持」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。