殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(59)は28日、吉村悟弁護団長と共に福井市内で記者会見を開き、検察の異議申し立て断念を聞き「安堵しました」と語った。
23日の再審開始決定時には異議申し立てを想定し「浮かれることなく」と硬い表情を崩さなかったが、この日は「今ちょっと喜んでいます」などと話し、笑みがこぼれた。
会見の途中、一報が届き、前川さんは吉村弁護団長らと握手と抱擁を交わして喜んだ。弁護団のメンバーが異議断念について「(逮捕から)37年以上経過していることに照らせば、あまりに遅きに失した決断」とのコメントを読み上げた。
検察側は名古屋市の名古屋高検本庁に記者を集め、対応を説明した。高検の畑中良彦次席検事はホワイトボードに事件発生からの経緯を時系列順に書き込み「再審公判が開始される流れとなる」と述べた。
質疑応答で、再審公判での対応方針などを問う声が相次いだが「お答えを差し控える」「総合的に判断した」と繰り返した。〔共同〕
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