衆院選で注目された「政治とカネ」の問題。自民党派閥の裏金事件に関わった46人は、18勝28敗で勝率4割だった。選挙戦い終盤の23日、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が、自民が非公認候補の党支部に2000万円の活動費を支出していたことを報じ、逆風が一段と強まった。
非公認となった10人で当選したのは平沢勝栄氏(東京17区)、萩生田光一氏(東京24区)、西村康稔氏(兵庫9区)の3人だけだった。高木毅氏(福井2区)は高市早苗氏の夫で元職の山本拓氏の立候補により保守分裂となり、旧安倍派5人衆の中で唯一、議席を失った。
自民党の公認を得た34人も比例名簿には搭載されず、小選挙区単独での背水の陣。大塚拓氏(埼玉9区)と丸川珠代氏(東京7区)は夫婦そろって議席を失った。大阪は維新の強さに歯が立たなかった。
離党した世耕弘成氏(和歌山2区)は衆院に鞍替えし、二階俊博元幹事長の三男で自民党公認の新人・伸康氏との保守分裂選挙を制した。
裏金候補46人の当落
(★は当選、落は落選)
非公認 10人のうち3人当選
落 / 上杉謙太郎(福島3区) | |
落 / 中根一幸(埼玉6区) | 立民に敗れる |
落 / 三ツ林裕己(埼玉13区) | 初挑戦の国民・橋本幹彦氏に敗れる |
落 / 下村博文(東京11区) | 文科相・自民党政調会長歴任 |
★ / 平沢勝栄(東京17区) | |
落 / 小田原潔(東京21区) | 立民に敗れる |
★ / 萩生田光一(東京24区) | 旧安倍派5人衆。裏金・統一教会問題を追求する立民・有田芳生氏に辛勝 |
落 / 細田健一(新潟2区) | 立民に敗れる |
落 / 高木毅(福井2区) | 元職の山本拓氏の立候補で保守分裂選挙となり、旧安倍派5人衆で唯一の落選 |
★ / 西村康稔(兵庫9区) | 旧安倍派5人衆。逆風の中、立民候補を制す |
公認(比例重複なし) 34人のうち14人当選
落 / 和田義明(北海道5区) | 立民に敗れる |
落 / 木村次郎(青森3区) | 立民に敗れる |
落 / 藤原崇(岩手3区) | 前回選挙では小選挙区では初の敗北を喫した立民の小沢一郎氏が雪辱を果たした |
落 / 西村明宏(宮城3区) | |
落 / 亀岡偉民(福島1区) | |
★ / 簗和生(栃木3区) | |
★ / 福田達夫(群馬4区) | |
★ / 柴山昌彦(埼玉8区) | |
落 / 大塚拓(埼玉9区) | 立民に敗れる |
★ / 松野博一(千葉3区) | 旧安倍派5人衆。3000票の僅差で立民制す |
落 / 山田美樹(東京1区) | 立民・海江田万里しと激戦の末、敗れる |
落 / 丸川珠代(東京7区) | 参院からの鞍替えを目指したが |
落 / 義家弘介(神奈川16区) | 立民に敗れる |
落 / 高鳥修一(新潟5区) | 立民に敗れる |
落 / 若林健太(長野1区) | 立民に敗れる |
★ / 宮下一郎(長野5区) | |
★ / 田畑裕明(富山1区) | |
★ / 小森卓郎(石川1区) | |
★ / 佐々木紀(石川2区) | |
★ / 稲田朋美(福井1区) | |
落 / 鈴木淳司(愛知7区) | |
落 / 青山周平(愛知12区) | 立民に敗れる |
★ / 根本幸典(愛知15区) | |
★ / 鈴木英敬(三重4区) | |
落 / 中山泰秀(大阪4区) | 維新に3万票近く差をつけられる |
落 / 加納陽之助(大阪10区) | 維新に敗れる。3万8000票近い差の大敗 |
落 / 宗清皇一(大阪13区) | 維新に敗れる |
落 / 谷川とむ(大阪19区) | 維新に惜敗 |
★ / 関芳弘(兵庫3区) | |
落 / 井原巧(愛媛2区) | |
★ / 宮内秀樹(福岡4区) | |
落 / 武田良太(福岡11区) | 菅義偉内閣で総務相 |
★ / 加藤竜祥(長崎2区) | |
落 / 衛藤征士郎(大分2区) | 「不記載を野党やマスコミが “裏金”と騒ぎ立てたと恨み節 |
離党 2人のうち1人が当選
落 / 宮沢博行(静岡3区) | 裏金問題に加え、女性問題が発覚し、4月に議員辞職 |
★ / 世耕弘成(和歌山2区) | 旧安倍派5人衆。離党して参院から鞍替え立候補。二階俊博氏の三男・伸康氏との “紀州戦争” を制した |
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