整備が進む2025年大阪・関西万博会場予定地。各国が自前で建てるパビリオン「タイプA」は木造巨大屋根「リング」に囲われるように造られるが、建設工事が始まったのは全体の2割にとどまることが分かった。13日で開幕1年前となる=5日、大阪市の夢洲(ドローンから)

 25年大阪・関西万博で各国が自前で建てるパビリオン「タイプA」のうち、建設工事が始まったのは全体の2割の12カ国にとどまることが12日分かった。日本国際博覧会協会(万博協会)の発表を基に共同通信が集計した。13日で開幕1年前となるが、3割の国は建設業者も決まっていない。吉村洋文大阪府知事は1年後も内装工事が一部で続く可能性に言及。不完全な形での開幕が現実味を帯びてきた。

 万博は膨らみ続けた費用に批判が根強く、開催の機運醸成も進んでいない。協会や企業発注のパビリオンは9割超が着工したが、海外館工事は停滞。展示内容が十分に伝わっていないことも盛り上がりに欠ける一因で、国や万博協会、大阪府・大阪市の対応が問われる1年になる。

 各国の独自性が出るタイプAは「万博の華」とされ、当初は約60カ国が予定していた。だが複雑なデザインや商習慣の違い、資材価格高騰などで日本の業者と折り合えず契約が難航。ブラジルなど少なくとも7カ国がタイプAを断念し、協会が建設を代行する簡素型パビリオンなどの利用を決めた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。