目次
-
約20%の事業所が二重被災 珠洲商工会議所
-
「営業再開の見通したたない」事業所からの声相次ぐ
約20%の事業所が二重被災 珠洲商工会議所
先月の豪雨災害を受け、珠洲市の珠洲商工会議所は、市内にある会員の383の事業所を対象に現地での聞き取りや電話などで被災状況を調査し、これまでに74.6%にあたる286の事業所から回答を得ました。
それによりますと、豪雨による浸水などで会社の建物や機械、それに商品が被害を受けたと回答したのは82の事業所に上りました。
さらに286の事業所のうち20.6%にあたる59の事業所が、ことし1月の能登半島地震のあと再び被害を受けた「二重被災」となっていることがわかりました。
「二重被災」の事業所の中には、土砂崩れなどで被害を受けた道路の復旧工事に時間がかかるため事業の再開が難しいというケースもあるということです。
珠洲商工会議所 袖良暢 事務局長
「地震の被害を受け相当な資金を出して再建を進めていたところに再び豪雨の被害を受けた事業所が相次いでいて、非常につらい思いをされている。今後、事業をどうするのか、今は決められないという事業者にもいつでも支援ができるよう態勢を整えていきたい」
「営業再開の見通したたない」事業所からの声相次ぐ
地震と豪雨の「二重被災」となっている石川県珠洲市の事業所からは、営業再開の見通しがたたないという声が相次いでいます。
珠洲市若山町で車の修理や整備、車検などを行っている自動車整備会社では、元日の能登半島地震で板金塗装などを行っていた工場の建物が全壊しました。
地面が隆起したことから車検などの検査場も使えなくなり、ほかの事業所の検査場を借りる形でことし3月に営業を再開していました。
しかし、先月の豪雨で近くを流れる若山川が氾濫して事業所が浸水しました。
最も高いところでは1メートル60センチほどまで水に浸かり、客から整備の依頼を受けた車などあわせて17台が被害を受けて、すべて廃車にせざるを得なくなったということです。
さらに修理や整備に使う機械も10台余りが浸水被害を受けていずれも使うことができなくなり、今回の豪雨での被害はおよそ1億円にのぼるとみられるということです。
営業の再開に向けては車の修理や整備などのための新たな機械を購入する必要があるということで、金融機関や商工会議所などに資金繰りについて相談することにしています。
ただ、資金の確保や事業所に流れ込んだ土砂の撤去作業などに時間がかかるとみられ、再開の見通しは立たないといいます。
自動車整備会社 関原崇倫社長
「1月の地震だけでなく豪雨の被害も大きすぎて先が見えず、いまだに信じられないような状態です。営業再開に向けて一つ一つできることをして頑張りたいと思います」
県や国が補助金など支援策強化「窓口に相談を」
石川県や国は二重に被災した事業所に対しても補助金など支援策を強化していて「県や商工会議所などに設置された窓口に相談してほしい」としています。
石川県は1月の能登半島地震で被災した中小の事業所に対し「なりわい再建支援補助金」として1つの事業所につき15億円を上限に施設や設備の復旧費用を補助しています。
県は、これを先月の豪雨災害でも適用し、地震で被災して補助金を受け取った事業所が豪雨で二重に被災した場合も改めて補助金を受けることができるようにしたということです。
国も、先月の豪雨で被災した小規模事業者などを対象に「小規模事業者持続化補助金」で、▽施設が被災するなど「直接被害」に200万円を、▽売り上げの減少など「間接被害」に100万円をいずれも上限に補助しています。
石川県は「能登半島地震で被災し経営の再建を進めていたところ、先月の豪雨で再び被害を受けた事業所が相次いでいる。県や商工会議所などに設置された窓口に相談してほしい」としています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。