2022年7月に安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件と、23年4月に岸田文雄前首相に爆発物が投げつけられた事件があって以降、初めて迎えた大規模な国政選挙。警察が警護と警備を強化するなかで、自民党本部に火炎瓶のようなものが投げ込まれ、首相官邸前に車が突っ込む事件は起きた。
事件を受け、警察庁は19日、重要施設などでの警戒警備や警護の徹底などを都道府県警に指示した。
衆院選のいま、各地で警護対象者の街頭演説が行われている。警察庁は、演説会場での手荷物検査や金属探知検査、飲み物など持ち込まれる液体物の中身の確認を徹底するよう求めた。
事件では首相官邸前に設けられた車両進入阻止柵に車が突っ込んだ。警察庁は、施設や街頭演説会場で車両が入ってこられないように、柵を設けるなどの対策のほか、パトロールの強化▽不審な人物への積極的な職務質問▽警護対象者以外の候補者についての警戒▽同じような事件を未然に防ぐための情報収集の徹底――なども呼びかけた。
また、各地の自民党の関連施設や首相官邸などでの警戒も徹底するよう指示した。警察庁の担当者は「模倣犯が出て、自民党関連の施設などが狙われる可能性もある」と警戒する。(板倉大地)
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