関越道ツアーバス事故から12年となり、現場近くの祭壇で手を合わせる関係者(29日午前、群馬県藤岡市、代表撮影)=共同

群馬県藤岡市の関越自動車道で乗客7人が死亡、38人が重軽傷を負った高速ツアーバス事故から29日で12年となった。発生時間の午前4時40分ごろ、遺族らは現場近くで犠牲者を追悼。母の直美さん(当時44)を亡くした山瀬俊貴さん(31)は群馬県警の警察官で、今年3月から希望していた高速隊に配属された。事故現場を通る日もあり「つらい思いをする人が出ないように努めたい」と決意を込めた。

夜明け前の空の下、遺族ら数十人は現場の斜面下の祭壇に黄や赤の花を供え、手を合わせた。山瀬さんは、能登半島地震で被災した石川県能登町出身で「周囲の支えで今の自分もある。一人で乗り越えようとせず、協力し合って生活を取り戻してほしい」と話した。

母、郁子さん(当時49)を失った富山県高岡市の林彩乃さん(35)は、郁子さんが好きだったぬいぐるみを持参し「今年も来たよ」と報告した。自身も事故で負傷したが「1年ごとに生きていることを前向きに捉えられるようになってきた」。19歳だった娘の紗知さんを亡くした同市の宮下恵子さん(63)は「紗知を思わない日はない。事故が二度と起きないでほしい」と願った。

事故は2012年4月29日発生。金沢市から高岡市を経由し、千葉県の東京ディズニーリゾートに向かっていたバスが防音壁に衝突、大破した。〔共同〕

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