「原爆の絵」は、広島市立基町高校で美術を専攻する生徒たちが毎年、制作していて、ことしは13人の生徒が被爆者6人の体験をもとに描きます。

生徒たちは18日、被爆者と初めて会い、被爆体験の中で絵で伝えてほしいことなどを聞き取りました。

この取り組みに初めて参加した被爆者の内藤愼吾さん(85)は、6歳のときに爆心地から1.7キロ離れた自宅で被爆し、父親ときょうだいを亡くしました。

内藤さんは、爆風で潰れた家の下敷きになった幼い弟と妹を、母親が必死の形相で救出する様子を描いてほしいと話し、生徒たちは熱心にメモやスケッチをとりながら話を聞いていました。

被爆者の廣中正樹さん(85)は「今回のノーベル平和賞は、原爆を使ってはいけないと警鐘を鳴らす意味があると思う。絵を通して広島の実態を世界の人に見てもらいたい」と話していました。

高校2年生の松岡瞳美さんは「ノーベル平和賞を受賞して終わりにするのではなく、私たち若い世代が被爆者の思いを伝えていきたい」と話していました。

「原爆の絵」は来年7月ごろの完成を目指すということです。

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