能登半島地震の影響で延期されていた石川県七尾市の「はたちのつどい」が、当初の予定より9カ月遅れで開かれ、振り袖やスーツで華やかに着飾った354人が久しぶりの再会を喜んだ。実行委員会が決めたテーマは「紡(つむぐ)」。それぞれの夢に向かって挑戦する決意とともに、被災の経験を次世代に紡ぐことを誓った。(奥田哲平)

DJ KOOさんの音楽に合わせて盛り上がる出席者ら=いずれも13日、石川県七尾市文化ホールで

◆「復興願い、私たちの未来が笑顔あふれるように」

 市文化ホールであった式典は、2023年度に20歳を迎えた人が対象。地震の犠牲者に黙とうして始まり、茶谷義隆市長が「地震から立ち上がる復興への思いや世界中からの支援への感謝とともに、自分の可能性を信じて未来を切り開いてほしい」とエールを送った。  続いて木下杏咲(あさ)さん(21)、中島心渚(ここな)さん(21)の2人が決意宣言。避難所や断水下の生活を振り返りながら「人とのつながりや出会いを大切にしようと思うきっかけにもなった。七尾の復興を願い、私たちの未来が笑顔あふれるものになるよう努力することを誓う」と話した。

◆DJ KOOさんサプライズ登場で大盛り上がり

DJ KOOさん(左)の音楽に合わせてステージで踊る出席者ら

 静粛な式典から一転、サプライズゲストとして音楽ユニット「TRF」のDJ KOO(コー)さんが登場すると、会場は大盛り上がり。コーさんは「大変なこともあったけど、少しでも元気で笑顔になれば」と次々とヒット曲を流し、門出を祝った。  最後にステージ中央に立った実行委員長の片倉聖人(まさと)さん(20)は全国からの支援者に感謝し「一人ひとりがあの日を忘れず、この経験を次の世代に語り継ぐ責任を持っている。誰かの支えになり、温かさを分けられるよう精進したい」と語った。 

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