Q.「マイナ保険証」とは?

A.健康保険証の登録をしたマイナンバーカードのことです。

医療機関の顔認証付きカードリーダーなどで、健康保険証としての利用登録をすれば、これまでの健康保険証の代わりになります。

登録は、医療機関以外だと、専用のアプリなどでも行うことができます。

政府は2024年12月2日に、これまでの健康保険証の新規発行を廃止して、「マイナ保険証」を基本とする仕組みへの移行を進めています。

Q.今の健康保険証は使えなくなる?

A.いいえ。

12月2日以降も1年間は、これまでの保険証を使うことができます。

ただし、自営業者などが入る「国民健康保険」や、75歳以上が入る「後期高齢者医療制度」の保険証には、それぞれ有効期限(多くが来年7月から8月)があります。

保険証に記された有効期限を確認して下さい。

Q.12月2日以降、マイナ保険証の登録をしていない場合、保険で受診できない?

A.いいえ。

マイナンバーカードを持っていない人や、マイナ保険証の利用登録をしていない人、さらにことし12月2日以降に75歳になる人については、健康保険組合や国民健康保険組合などの保険者から「資格確認書」というものが交付されます。

これを医療機関の窓口に提示すれば今の健康保険証と同じく保険で受診することができます。そのための申請も必要はありません。

Q.マイナ保険証の利用状況は?

A.厚生労働省によりますと、最新のデータはことし8月時点ですが、マイナ保険証の利用率は、12.43%となっています。

マイナンバーカードの保有者は全人口の74.8%となっていてこのうち8割ほどがマイナ保険証の登録を済ませていますが、実際は健康保険証の方を活用しているケースが多数となっています。

Q.マイナ保険証のメリットは?

A.国があげるメリットが、「医療情報の共有」です。

本人の同意があれば、特定健診の情報や、過去に処方された薬などを他の医療機関と共有することができます。

そのため、初めてかかる医療機関でも薬の飲み合わせなどを正しく判断でき、的確でスムーズな診療につながるとしています。

ほかにも、転職などをしても新しい健康保険証の発行を待たずに使い続けられることや、高額療養費の限度額を超える支払いが、手続きなしに免除されるということです。

Q.マイナ保険証の懸念材料は?

A.まだ、マイナ保険証に対応しておらず、今の保険証でないと受診できない医療機関もあります。

また、システムで管理するため、不具合が起きた場合などは使用できなくなることや、マイナンバーカードや電子証明書の有効期限が切れるとマイナ保険証としても使えなくなるので、更新する必要があるということです。

このほか、過去には別人の個人情報がひも付けられるミスが相次いだこともあり、情報の取り扱いなどを懸念する声もあります。

Q.専門家の見解は?

A.個人情報保護などに詳しい中央大学の宮下紘教授は「高齢化が進むなかで、医療を効率的、正確に管理し運用する上で、医療のデジタル化は、やはり進めていく必要がある。

ただ、デジタル化は時間がかかるのでもう少し移行期間を長く設けることで、徐々にデジタル化への信頼を獲得していくことが求められている」と話しています。

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私たちは、この「マイナ保険証」について引き続き取材します。ぜひみなさんからの情報をこちらまでお寄せください。

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