北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさん(64)=新潟県佐渡市=が、今月から同市総務課の拉致被害者対策係の職員となった。先月までは市の養護老人ホームで介護の仕事をしていたが、曽我さんの意向で、拉致問題の解決のための活動により力を入れることになった。

 市によると、曽我さんはこれまでも市内の小中学校などで拉致問題について講演してきたが、今後は全国的に講演の場を広げていく。また、新たに市外から訪れた修学旅行生らに対する講演にも取り組むという。

 曽我さんは市を通じて、今の気持ちを「帰国を果たせていない拉致被害者と家族を、一刻も早く会わせてあげたい。(曽我さんの)母ミヨシは92歳になっていることや拉致被害者家族会の親世代の高齢化などで、一刻の猶予もない気持ちが強くなった」と説明。今後について「今まで以上に関係機関と連携を強くして活動していきたい」とコメントしている。

 曽我さんは2002年10月に北朝鮮から帰国。03年10月に真野町(現・佐渡市)職員となり、04年3月の町村合併後は市職員として働いている。(茂木克信)

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