日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表委員を務める田中重光さん(83)は16日、ノーベル平和賞の授与決定後初めて、長崎市で被爆講話を行った。小学生に「受賞によって核兵器をなくすという声が広まることを大きく期待しています」と話した。
修学旅行で訪れた熊本市立日吉小の6年生約70人に、爆心地から約6キロ離れた疎開先で被爆した自身の体験を証言した。児童は、被爆直後の長崎の写真を前のめりで見つめ、耳を傾けた。
原爆で背中に大やけどを負い「赤い背中の少年」として知られ、被爆者運動をけん引した故谷口稜曄さんの生涯も、やけどや手術痕の写真を交えて紹介。国連本部での演説の際に「二度と被爆者をつくってはいけない、核兵器をなくそうと訴えていた」と振り返った。
児童から受賞決定時の感想を問われ、東京からの航空機内でニュースを知り、一緒にいた被爆者たちと握手をして喜び合ったと答えた。
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