見つかったのは、焼き物でつくられ、富士山や桜の花びらがあしらわれた「1銭陶貨」およそ50万枚で、太平洋戦争末期に製造していた工場の跡地を持つ京都市の会社で見つかりました。

造幣局によりますと、戦争で金属が不足していた当時、硬貨に代わるものとして1銭、5銭、10銭の合わせておよそ1500万枚が製造されましたが、終戦で実際には使われないまま廃棄されたため、“幻の貨幣”と呼ばれています。

陶貨が大量に発見されることは極めて珍しいということで、引き渡しを受けた造幣局の後藤健二理事長から京都市の会社の高見哲夫社長に、16日、感謝状が手渡されました。

後藤理事長は「貨幣そのものだけでなく、経済・財政が混乱していた戦時中のいろいろなことが分かってくると期待しています」と述べました。

京都市の会社は創立100周年をきっかけに敷地内を調べていたところ、去年8月に倉庫で木箱に入った状態で発見したということで、高見社長は「貨幣においても金属がなかなか使えない状況だった。戦時中の苦労を知るひとつの資料として活用してもらいたい」と話していました。

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