文部科学省は、2019年度から「GIGAスクール構想」を推進し、全国の小中学校におよそ3000億円かけてタブレット端末などおよそ900万台を配備するとともに、高校についても、各家庭で端末を用意することになっている自治体には、家計が厳しく奨学金を受給している生徒などに貸し出す端末を購入するため、1台当たり最大4万5000円を補助しています。

会計検査院が、16の道府県と22の市町村の教育委員会が38億円余りの補助金を使って購入した合わせて9万5000台余りのことし4月までの利用状況を調べたところ、このうち34%にあたる3万2802台、補助金額に換算して12億7000万円分が一度も使われていませんでした。

調査対象となった自治体の37%にあたる14自治体では、半数以上の端末が使われておらず、このうち1万3000台余りは、今後も利用される見込みがないということです。

利用率25%未満の自治体が8つあり、最も低かった静岡県内の自治体は「ほかの財源でもっと性能のよい端末を購入してしまった」として1台も使っていませんでした。

新型コロナの影響による奨学金受給世帯の増加が想定を下回ったことが利用率が低い一因だということで、会計検査院は、文部科学省に、税金を使って購入した端末を放置せず、ほかの用途での活用を検討するよう求めました。

文部科学省は「指摘を踏まえて、生徒が所有する端末が故障した際の代替機として活用したり、指導者用の端末にしたりするといった活用策を検討して周知したい」としています。

「GIGAスクール構想」をめぐっては、去年も、会計検査院が、公立学校の通信環境整備に使われた国の補助金が2億5000万円余り過大に交付されていたと指摘していました。

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