およそ160の国と地域が参加する大阪・関西万博は、大阪 此花区の人工島・夢洲を会場に、来年4月13日から10月13日までの半年間、開催されます。

会場では、開幕に間に合うよう、参加国や企業などがみずから建設する70余りのパビリオンや、世界最大級の木造建築物となる「大屋根リング」の工事がピークを迎えています。

このうち、会場のシンボルとされる「大屋根リング」は、ことし8月に会場を囲むリングがつながり、現在は、エレベーターを取り付ける工事や芝生の整備などが進められ、来年2月までには完成する計画だということです。

一方、万博の前売券の販売状況は低調で、実施主体の博覧会協会によりますと、目標としている1400万枚に対し、今月9日時点の販売実績はおよそ714万枚と、目標の半分程度にとどまっています。

13日からは、来場する日時の予約が始まるほか、繁忙期ではない時期に予約なしで入場できる紙のチケットも、コンビニなどで販売されますが、どのようにして全国的な関心を高め、集客につなげるかが大きな課題となっています。

プロデューサー 石黒教授「未来つくるきっかけに」

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げる大阪・関西万博では、8人のプロデューサーが「いのち」をテーマに会場の中心部にパビリオンをつくることになっています。

そのうちの1人がロボット工学の第一人者として知られる大阪大学の石黒浩教授です。

石黒教授が手がけるパビリオンでは、人間に似たロボット「アンドロイド」などの最先端の技術が生活空間に溶け込む様子を体験してもらう予定です。

石黒教授は今月、展示予定のアンドロイドを開発している京都府内の研究施設で取材に応じ、「順調に仕上がってきていて、手応えを感じながら準備を進めています。みんなに驚いてもらえるようなパビリオンにできればいいなと思っています」と意気込みを語りました。

そして「これから50年たてば、人間らしいロボットやAIが世の中で使われることは必然で、パビリオンではそういったロボットなどを展示し、リアリティーある未来のシーンを紹介したい」と話していました。

その上で、万博を開催する意義について石黒教授は「未来についてみんなで考えること、そして想像力を豊かにして自分たちで未来をつくるきっかけにすることだと思います。テクノロジーで進化する人間や環境を感じてもらえるようなパビリオンを準備しています。ぜひ来ていただき、未来を一緒に考えてもらいたいです」と話していました。

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