1964年東京五輪のボート競技会場となった埼玉県戸田市の戸田漕艇場が、国有地を含んでいるにもかかわらず、所管する関東財務局が正式な手続きを踏むことなく県に無償で管理を委託する不適切な状態が58年続いていたことが11日、会計検査院の調べで分かった。一部区域は競艇を行うボートレース戸田として利用され、国有地上にオッズを示す大型の電光掲示板が設置されるなど、原状回復が難しい状態となっている。
会計検査院は「営利目的の競艇が開催される国有地を、貸し付け契約もせず実質無償で使わせている」と問題視し、関東財務局に対して早急な対応を求めた。財務省によると、既に埼玉県との間で貸し付け契約締結に向けて協議しているといい「速やかに対応したい」としている。
国有財産法などによると、行政目的でない国有地は、貸し付けのほか、最長3年までの管理委託ができるが、契約書などの正式文書を交わして国が状況を把握する必要がある。戸田漕艇場は沿岸の一部(約2万2千平方メートル)が国有地となっている。
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