基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の城倉圭研究員(動物生理学)らのチームは11日、傷ついた2匹のクシクラゲが近接すると数時間で融合し、1個体のように振る舞うことを発見したと発表した。傷を再生しようとして融合が起きているとみられ「詳しい仕組みが分かれば医療に役立つ可能性がある」としている。  クシクラゲは無色透明でクラゲに似ているが、刺胞動物のクラゲとは別の有櫛動物に分類され、人を刺すこともない。城倉研究員は、水槽のクシクラゲのうち、口を二つ持った大きな個体を見つけた。形から2匹が融合したのではないかと考え、体の一部を切除した2匹が接触するようにピンで固定し一晩放置すると、高確率で融合した。  顕微鏡で観察すると、約30分で切除部分同士がくっつき始めた。1時間後には2匹の境界の見分けが付かなくなり、約2時間で筋肉の動きもほぼ一致するようになった。  融合した2匹の消化管がつながっていることも判明。片方の口から蛍光物質を加えたえさを与えると、約1時間でもう片方の個体の肛門からふんが排出された。


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