旧ジャニーズ事務所(現スマイルアップ)の創業者故ジャニー喜多川氏らによる性加害問題で、被害者3人が9日、東京都の日本記者クラブで記者会見した。事務所が性加害を認めて謝罪してから1年余り、元アイドルグループ「忍者」メンバーの志賀泰伸さん(56)は「振り返ると声を上げて誹謗(ひぼう)中傷を受け、苦しくなんとか生きてきた。補償状況はブラックボックス。基準を明確化してほしい」と語った。

記者会見する(左から)長渡康二さん、志賀泰伸さん、中村一也さん=9日、東京都千代田区の日本記者クラブで(望月衣塑子撮影)

◆スマイル社は昨年10月以降、会見を開かず

 元ジャニーズJr.(ジュニア)の中村一也さん(37)と長渡康二さん(41)も参加。中村さんは「未来ある子どもに同じ経験してほしくない。1年たつと何もなかったかのような風潮になっている」と危機感を示した。長渡さんは、人権監視、定期的な会見の開催、心のメンテナンス対応の3点をスマイル社に求めるとし、「被害者はみんなトラウマ(心的外傷)を抱えてる」と話した。  志賀さんはスマイル社が昨年10月以降、会見を開いていないことを問題視し「加害実態が明らかにならずあまりに不誠実だ」と怒りをぶつけた。  昨年10月に自死した被害者の遺族は3人に手紙を託し、会見を傍聴。「願いごとがたくさんあった今の子どもの願いは『誰も死にませんように』だ」と、中村さんが代読した。(望月衣塑子) 

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