東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)を微量採取する計画で、装置のカメラ2台の映像が届かなくなり中断した問題を巡り、東電は7日、カメラの復旧を断念し、交換すると発表した。作業員の訓練も必要となるため時間がかかり、採取再開の見通しは立っていない。  不具合を起こした2台は、釣りざお式の装置のさおに当たるパイプと、釣り針に当たるデブリをつかみ取る器具のそれぞれ先端部に取り付けられていた。不具合の原因は不明としているが、強い放射線がカメラの半導体に影響を与えた可能性がある。

福島第1原発=2022年3月撮影

 東京電力は9月10日にデブリの微量採取に着手。14日には格納容器内の底部で長さ3、4センチほどのデブリに接触し、器具でつかみ取るなどした。その様子をカメラが撮影した映像も公開した。つかんだデブリはいったん放し、改めて採取する予定にしていた。  だが、15日にカメラの電源を切り、作業を再開した17日に電源を入れたところ、映像が届かなくなった。映像がないと採取できないため、作業は中断。装置は格納容器内から、着手前の収納箱に戻した。(荒井六貴、山下葉月) 

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