昨年2月に日本で再会したトルコ出身クルド人家族6人のうち、妻と次男の在留延長が認められなかった問題で、東京出入国在留管理局(東京入管)は4日、2人が新たに申請した在留資格を認めなかった。目の難病を患う妻と未成年の次男に対し、昨年2月の大地震で自宅を失ったトルコへの帰国を強いる判断。家族は「帰っても暮らせない。一緒にいさせて」と訴える。支援者らと対応を話し合う。

東京入管(資料写真)

 家族は、トルコでの迫害から逃れて1999年に来日した埼玉県川口市の50代男性のMさん(仮名、難民申請中)と、妻と子ども4人。妻子は大地震で被災し、男性を頼って来日した。  家族や市民団体「クルド人難民Mさんを支援する会」によると、東京入管は、高校に今秋入学した次男が申請した在留資格「留学」について「1年以上の日本語の教育を受けている」などの要件を満たさないとして不許可にした。地元中学への転入手続きに時間がかかり、通学開始が昨年9月になったためとみられる。  次男の養育を目的にした妻の「特定活動」も認めなかった。在留期限は11月3日まで延長した。  東京入管は、妻の難病は日本でも治療方法はなく、トルコでは仮設住宅が提供されるため、帰国しても問題はないとの考えも伝えたという。同会は「家族の出身地域の被災者用住宅を希望しても提供されないと聞いている。妻と次男が帰っても生活が困難なのは明らか」と反論する。(飯田克志) 

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