中央自動車道の笹子トンネル(山梨県大月市)で2012年12月、天井板が崩落し9人が死亡した事故で、中日本高速道路(名古屋市)は3日、再発防止に関する遺族説明会を開いた。縄田正社長は遺族側が求めてきた事故原因の追加調査に応じない考えを改めて示した。
説明会は13年から開催。今年は、同社の研修施設「安全啓発館」(東京都八王子市)で開かれ、遺族9人が参加し、冒頭のみが公開された。
縄田社長は冒頭で事故について謝罪し、事故後に入社した社員が全体の4割を超えたことに触れ「事故を風化させることなく、社員教育を継続していく」と述べた。
説明会の終了後、縄田社長は、国の事故調査検討委員会で結論が出ているとして、改めて追加調査に応じない考えを伝えたことを報道陣に明らかにした。
これに対し、事故で亡くなった石川友梨さん(当時28)の父・信一さん(75)=神奈川県横須賀市=は「真相が知りたいと再三申し出たが、私たちの真意が理解してもらえないと不満を持った」と取材に話した。(棟形祐水)
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