太平洋戦争中に空襲の被害を受けながらも焼失を免れ、戦争の傷痕を今に伝える樹木は、研究者から「戦災樹木」と呼ばれています。

その存在を広く知ってもらい保存の必要性を訴えようと、戦災樹木の研究を続けている明治大学の菅野博貢准教授とアメリカの歴史学者のデイビッド・フェドマンさんの研究チームが詳しい調査を進めています。

3日は都内2か所で調査を行い、このうち2本の戦災樹木が残されている北区の住宅では、中心部が空洞になった幹や黒く焼け焦げたあとなどを確認し、住民から焼け残った経緯などを聞き取りました。

この木は住宅の取り壊しに伴い来年2月までに伐採される予定だということで、研究チームは自治体などに対してほかの場所への移植を要請することにしています。

フェドマンさんは「戦災樹木は日本の空襲の被害を伝える語り部として今後ますます重要になり、将来の世代のために残しておくべきだ」と話していました。

菅野准教授によりますと、都内23区には戦災樹木が200本以上確認されているということで、今後も全国各地で調査を行い、来年以降、書籍や論文などにまとめて日本やアメリカで発表する予定だということです。

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