1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きたみそ製造会社専務一家殺害事件をめぐり、26日の再審公判で無罪となった袴田巌さん(88)が29日、静岡市内で開かれた判決報告会に出席し、支援者らに「ありがとうございました」と語った。

 無罪判決後に袴田さんが公の場に姿をみせたのは初めて。袴田さんはステージに上がると、「待ちきれない言葉がありました。無罪勝利が完全に実りました」などと話した。姉の秀子さん(91)に促されて最後にお礼を述べると、会場から拍手がわき起こった。集会の冒頭5分ほどのみ参加した。

 袴田さんは長い収容生活による拘禁反応で普段は意思疎通が難しい。身の回りの世話をする支援者は、今回の発言について「どれくらい理解しているかはわからないが、こうした場に出ることが刺激になり症状改善につながれば」と話した。(本間久志)

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