中国返還のため、輸送箱に入ったジャイアントパンダのリーリー(上)とシンシン=29日未明、東京・上野動物園(東京動物園協会提供)
中国に返還される上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダのつがい、雄リーリーと雌シンシン=いずれも19歳=が29日、成田空港をチャーター機で出発し、四川省の成都双流国際空港に到着した。同省の中国ジャイアントパンダ保護研究センターへ運ばれる。 2頭は午前4時ごろにトラックで園を出発した。福田豊園長は「少し寂しいが、今は感謝の気持ちの方が強い。生まれ育った環境で穏やかに暮らしてほしい」と報道陣に語った。落ち着いた様子で輸送箱に入り、少量の水やリンゴ、ニンジンなどを与えられたという。 成田空港の展望デッキにもファン数百人が駆け付け、機体を撮影したり、手を振ったりして別れを告げていた。 都によると、リーリーとシンシンは四川省で2005年に生まれ、11年2月に上野動物園に来た。近年は高血圧などの症状が出始め投薬治療をしていた。日中の専門家で協議し、移動可能な健康状態のうちに帰国させて治療するのが望ましいと判断した。 2頭は来日直後の11年3月に起きた東日本大震災による休園を経て4月に公開された。
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