上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、オスのリーリーとメスのシンシンが29日、中国に返還される。28日は最後の観覧日となり、上野で10年以上愛された2頭に対し、大勢のファンが別れを惜しんだ。

 開園前から最後に一目見ようという人の長い列ができ、2千人に達した午前8時20分に2頭の観覧受け付けを締め切った。午後3時からの最終観覧は抽選制で、倍率は61倍となった。当選した千葉県市川市の松井佐恵子さん(50)は「たくさんの幸せをくれてありがとうと、最後に伝えました」と話した。

 リーリーとシンシンは2005年に中国で生まれ、11年に上野動物園にやってきた。いずれも今年で19歳と高齢なため、健康を考えて返還が決まった。2頭からは17年にシャンシャン(23年に中国へ返還)、21年には双子のシャオシャオとレイレイが誕生した。

 2頭の返還により、同園のパンダは双子の2頭だけになる。国内にはほかに和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドに4頭のパンダがいる。(石平道典)

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