石川県能登地方を襲った記録的豪雨から28日で1週間となった。いまだに安否が分かっていない人たちの捜索現場では消防や警察が活動し、人員を増やして態勢を強化した場所もある。不明者の発見に向け、懸命な捜索が続いた。
輪島市の塚田川流域では、午前6時ごろ捜索を開始。消防によると、これまでで最も多い約530人が投入され、家財道具や安否不明者の身の回りの物が比較的多く見つかっている海岸沿いを重点的に調べた。
総務省消防庁の担当者は「各機関の総力で可能な活動を実施し、全力で捜索に当たる」と述べた。
能登町北河内地区でも朝から警察や消防、自衛隊が金属製のスコップや重機で土砂を掘りながら捜索を進めた。
県によると、27日時点の避難者は輪島市や珠洲市で計450人超に上る。
石川県は27日夕時点で国道や県道計29カ所が通行止めになっていると明らかにした。元日の地震による不通区間も残る中での再被災で、復旧作業や生活再建へのさらなる遅れも懸念される。
県が管理する国道や県道は豪雨の影響で土砂崩落や倒木などが発生、21日以降、輪島市や珠洲市など半島北部を中心に最大で48カ所が通行できなくなった。ほかに市町の管理する道路も被災しているが、被害の全容は把握できていない。
輪島市の坂口茂市長は県災害対策本部で、市道の橋9カ所が崩落したと明らかにした。半島への主要なアクセス道路である能越自動車道も、一部区間が一時通行止めとなった。
道路寸断により、115カ所の集落が一時孤立した。道路の復旧作業を進め、開通に時間がかかるエリアでは住民をヘリコプターで避難させるなどした結果、27日までに全て解消した。
能登半島地震では最大87カ所が通行止めとなった。国土交通省や県が応急復旧を進め、豪雨の前に約70カ所で通行可能となっていた。今回の道路被害で、復旧工事や支援に当たる車両が往来しにくくなり、復興の停滞につながる恐れがある。
豪雨による死者は輪島市、珠洲市で計11人。県によると、2人が行方不明で、連絡が取れなくなっている安否不明者が4人に上る。
県によると、断水は輪島市、珠洲市、能登町の計4253戸で続いている。〔共同〕
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