◆「国家の都合を優先した政治だ」
参加した立憲民主党の杉尾秀哉参院議員は、保険証廃止の決定過程が分かる記録を政府が残していなかった問題に触れ、「国家の都合を優先して一人一人の命を、こんなにないがしろにする政治はないと確信した。12月の(保険証)廃止はやめさせましょう」と呼びかけた。保険証廃止に反対の声を上げる医療従事者ら=26日、東京都千代田区で
政府が保険証廃止に関する記録を残していなかった問題は、東京新聞の情報公開請求や関係者への取材で判明。25日の朝刊で報じた。 反対集会は、開業医らでつくる全国保険医団体連合会(保団連)や医療関係団体、労働組合などで構成する「9・26いのちまもる総行動実行委員会」の主催。◆河野デジタル相の発言を引き合いに
看護師や介護職員が現場の実態について報告する一方、立民、共産、れいわ新選組の各国会議員があいさつした。 共産党の小池晃参院議員は、保団連のマイナ保険証のトラブル調査を河野太郎デジタル相が「百害あって一利なし」と発言したことを引き合いに出し、「保険証廃止こそ百害あって一利なしだ」と指摘した。◆障害者団体も要望書「置き去りにしないで」
障害者のマイナ保険証利用の問題を解決するため、政府に要望した内容を説明する家平悟事務局長㊥=26日、国会で
この日、障害者らでつくる「障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会」(障全協)は、現行保険証とマイナ保険証の存続などを求める要望書を厚生労働省、デジタル庁、総務省に提出した。 午後に国会で記者会見し、要望書の内容を説明した。 要望書では、障害者や高齢者など社会的に脆弱(ぜいじゃく)な立場に置かれている人に不利益のないよう、現行保険証の存続を求めている。 事務局長の家平悟さん(53)は「今の政府のやり方は制度的格差を広げている。社会的に弱い立場に置かれている人たちを、置き去りにしないデジタル化を実行してほしい」と訴えた。 自身も15歳の時に首を骨折し、全身にまひがある。家平さんも、河野氏の「百害あって一利なし」発言に触れ、「障害者や患者の困難に、まったく寄り添おうとしない許しがたい姿勢だと言わざるを得ない」と語った。(長久保宏美、戎野文菜) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。