アメリカ海軍横須賀基地に所属する兵士クリーガー・ダニエル被告(31)は、2022年7月、逗子市の海岸近くの路上で歩いていた男女4人に次々と体当たりをして転倒させたうえ、暴行を加えて顔の骨を折る大けがをさせたなどとして、傷害の罪に問われました。
これまでの裁判で検察は懲役2年6か月を求刑し、弁護側は「多量の飲酒で心神喪失の状態だった」などとして無罪を主張していました。
26日の判決で、横浜地方裁判所横須賀支部の片多康裁判長は「飲酒の事実は認められるが被告には完全責任能力があった。犯行は公共の場で何ら落ち度のない被害者らに対する無差別的な暴力の行使だ」などと指摘しました。
そのうえで「自己の行いに対し後悔の念を示している」と述べ、兵士に対し懲役2年4か月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。
被害にあった女性は
判決のあと、被害にあった4人のうちの1人で、顔の骨を折る大けがをした60代の女性は弁護士とともに記者会見を開き「事件のあと、外を歩くのが怖かった。裁判に参加した際も当時の状況を思い出したが、事件の記憶は一生忘れられないと思う」と話していました。
けがの影響で女性は手にしびれが残っているということで「裁判の中で被告から自分に対して反省や謝罪のことばがなかった。罪には向き合ってほしいと思う」と話していました。
アメリカ海軍「コメント控える」
判決についてアメリカ海軍はNHKの取材に対し「日本での司法手続き中につきコメントを控えさせていただく」としています。
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