北九州市小倉北区の木造アパートで2017年5月、入居していた50~80代の男性6人が死亡した火災で、福岡県警は26日、元住人で別の放火事件で服役していた男(56)を現住建造物等放火と住居侵入の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、男は2017年5月7日夜、北九州市小倉北区清水2丁目の木造2階建てアパート「中村荘六」に火をつけ、全焼させた疑いが持たれている。アパートには日雇いの労働者らの短期入居が多く、県警は死亡した全員の身元特定に約3カ月を要した。
火災をめぐっては、北九州市消防局が17年9月に調査報告書をまとめ、出火原因については「特定できなかった」とした。一方、県警は放火か失火かを慎重に見極める捜査を続行。火災現場を再現する実験などを行い、火の広がり方や燃え広がった時間、配線がショートした痕跡がないことなどを根拠に、たばこなど火の不始末や漏電の可能性はないと判断。放火と断定し容疑者の特定を進めていた。
捜査関係者によると、現場周辺の防犯カメラには不審な人物が映っていることがわかり、この人物がバイクでアパート近くまでやって来て、歩いてアパートの敷地内に入る様子などが確認できたという。県警は、防犯カメラの映像解析を慎重に進めるなどした結果、男の容疑が固まったとして逮捕した。
男は、2017年5月に北九州市八幡東区の交番の駐輪場にとめてあったバイクに火をつけたなどとして有罪判決を受け、服役していた。(小川裕介、興津洋樹)
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