護衛艦「さざなみ」(海上自衛隊提供)

 海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が25日に台湾海峡を通過したことが26日、関係者への取材で分かった。海自艦艇の同海峡通過は初めて。「航行の自由」を強調することで、日本周辺で軍事活動を活発化させている中国をけん制する狙いがあるとみられる。

 米国などは台湾海峡を自由に航行できる国際水域としており、ドイツの艦艇も今月、22年ぶりに航行した。台湾を自国の一部とみなす中国は受け入れない立場で、海自艦艇の通過に反発する可能性がある。

 関係者によると、さざなみは25日、オーストラリアやニュージーランドの艦艇とともに東シナ海側から台湾海峡を南に航行した。さざなみなどは南シナ海である演習に向かったとみられる。

 中国は日本周辺での軍事活動を強めている。8月にはY9情報収集機1機が長崎県五島市の男女群島沖で領空侵犯したほか、測量艦1隻が鹿児島県沖の領海に侵入した。また空母「遼寧」は今月18日、沖縄県の西表島と与那国島の間の接続水域を航行。中国空母として初めて日本の接続水域を通過した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。