警察庁がことし7月に行った調査では、都内で自転車に乗っていた人のうちヘルメットを着けていたのは15.1%で、全国平均の17%を下回りました。

また、都のアンケートでヘルメットを着用しない理由として「髪型が崩れる」を挙げた人が31%に上ったことから、警視庁は着用率を上げるためのプロジェクトの一環で、美容専門学校の学生と協力し、ヘルメットをかぶっても崩れにくいおしゃれな髪型をSNSで発信する取り組みを始めました。

学生たちが考案した髪型は左右の髪を編み込んでほどけにくくしたものなど11種類で、9月30日までの全国交通安全運動の期間中、警視庁交通総務課の「X」の公式アカウントに動画を毎日投稿するということです。

警視庁交通総務課の権田洋平管理官は、「着用を促進するためには今までと違う切り口が必要だと思い、この取り組みを始めました。学生たちがヘルメット未着用の課題に向き合って考えたので、多くの人に関心を持ってほしい」と話していました。

”崩れにくく おしゃれ” 髪型11種類を投稿

動画は、東京 渋谷区にある山野美容専門学校の学生11人がそれぞれ考えた、ヘルメットをかぶっても崩れにくく、おしゃれに見える髪型11種類で、9月30日まで毎日、「X」に投稿されます。

左右の髪を頭の後ろで交差させたり、編み込んだりしてほどけにくくした髪型や、アレンジした髪がヘルメットの後ろからかわいらしく見える髪型などが結び方の説明とともに紹介されています。

ヘルメット未着用で致死率 約2.7倍高く

警視庁によりますと、去年までの5年間に都内で自転車に乗っていて事故で死亡した人は148人に上り、このうち6割以上が頭に致命傷を負ったということです。

ヘルメットを着用していない場合、着用している場合に比べて致死率はおよそ2.7倍高くなりました。

都内 自転車ヘルメット着用率15.1% 全国平均下回る

自転車に乗る際のヘルメットの着用は、改正道路交通法の施行で去年4月から努力義務となりましたが、警察庁がことし7月に行った調査では、都内で自転車に乗っていた人のヘルメット着用率は15.1%にとどまり、全国平均の17%を下回りました。

最も高かったのは愛媛県の69.3%、最も低かったのは、大阪府の5.5%でした。

東京都のアンケート 未着用の理由は

東京都が去年行ったアンケートでは、ヘルメット未着用の人が着用しない理由として挙げたのは、
▽「着用が面倒」が47.9%で最も多く、
次いで
▽「駐輪時に置き場所がなく荷物になる」が38.6%、
▽「髪型が崩れる」が31.8%、
▽「頭が蒸れたり熱がこもる」が29.8%となっています。

自転車利用者 “汗かく” “置く場所ない”

自転車を利用する際のヘルメット着用について東京 渋谷で聞きました。

買い物などで自転車を利用するという40代の男性は、「今の時期は汗もかくのでかぶりたくない人も多いと思います。高校生の娘は前髪が崩れることを気にしています」と話していました。

自転車通勤をしている40代の女性は、「自転車を止めたあとにヘルメットを置く場所がなく邪魔になるのもかぶらない理由かもしれません。私はカゴに入れてカバーをしていますが、手間がかかります」と話していました。

20代の男性は、「ヘルメットをかぶると子どもっぽく見えるのでかぶらない人も多いと思う。おしゃれなものがあれば増えるかもしれない」と話していました。

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