環境水族館「アクアマリンふくしま」(福島県いわき市)の人気者だったゴマフアザラシの「ユキナ」(オス、27歳)が19日、死亡した。人間なら初老くらい。2000年の開館当初から飼育され、施設が東日本大震災の津波で被災した際には、他の水族館へ避難していたこともあった。
同館によると今月14日、急に食欲がなくなり、高熱も確認されたため施設内で診療を受けていた。血液検査で異常はなく、感染症の可能性もあったため抗生物質と解熱剤を投与したが回復しなかった。解剖で下大静脈の異常が見つかり、循環不全が死因とみられるという。
ユキナは開館に合わせて秋田県の男鹿水族館からやってきた。11年、大震災で施設は津波の直撃を受け、電気も水道も止まり水温調整などができなくなった。約750種類、計約20万匹の魚が次々に死んでいくなか、ユキナは発災5日後に神奈川県の新江ノ島水族館に受け入れてもらって避難。復旧後の同年9月に戻ってきた。以前のように、水槽前に人だかりが出来るほど人気を集めた。
これで同館のゴマフアザラシは、妻の「くらら」、6匹目の子「だいふく」だけになった。(西堀岳路)
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