男性皇族が成人を迎えると「成年式」が執り行われる。成年皇族としての第一歩を踏み出す重要な儀式で、天皇から冠を授かる「加冠の儀」などに臨む。
秋篠宮家の長男悠仁さまは9月に18歳となり、成人したが、大学進学に向けて学業を優先するため、式は高校卒業後の来春以降に催すことが決まっている。(共同通信=志津光宏)
▽40年ぶり
長年、男子が生まれなかった皇室にとって、成年式は1985年11月の秋篠宮さま以来、約40年ぶりとなる。
当時の記録によると、東宮御所で「冠を賜うの儀」があり、秋篠宮さまは昭和天皇の使者から成年用の冠を受け取った。
その後、皇居・宮殿で「加冠の儀」に臨んだ。古式ゆかしい装束に身を包み、未成年の皇族が着ける額当て「空頂黒☆(巾ヘンに責)」を外して冠をかぶった。
引き続き、皇室の祖先などを祭る宮中三殿を参拝し、えんび服に着替えて宮殿に戻り、「朝見の儀」で昭和天皇に感謝の言葉を述べた。
一連の儀式を終えた秋篠宮さまには、大勲位菊花大綬章が贈られた。
▽学業優先
皇室の成年時期は特殊だ。皇室典範に基づき、「皇太子」だった上皇さまは18歳で迎え、天皇陛下と秋篠宮さまは民法の規定が適用され、いずれも大学在学中の20歳だった。
悠仁さまの場合、2022年の民法改正による成人年齢引き下げで、高校3年の18歳で成年の節目を迎える。
陛下と秋篠宮さまは誕生日当日に成年式が執り行われたが、宮内庁は今回、学業に支障が出ないようにするため、悠仁さまの式を延期することを明らかにした。開催は「高校卒業後の適切な時期」とし、勲章の授与式も同様に先延ばしする。
成年皇族は宮中行事などにも出席するようになる。
だが、西村泰彦長官は7月の記者会見で「成年式を終えられた後、参列されるのが適当ではないか」と述べ、当面見合わせることを示唆した。
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