北海道・礼文島付近の領空を侵犯したロシア軍の哨戒機=23日(防衛省統合幕僚監部提供)

 防衛省統合幕僚監部は23日、ロシア軍の哨戒機1機が同日午後、北海道・礼文島付近の領空を3度にわたって侵犯したと発表した。航空自衛隊のF15戦闘機とF35戦闘機が緊急発進(スクランブル)し、警告として赤外線誘導ミサイルなどをかく乱する「火炎弾(フレア)」を発射した。対領空侵犯措置で空自機がフレアを発射したのは初めて。

 ロシア機による領空侵犯を受け、政府は首相官邸の内閣危機管理センターに情報連絡室を設置。林官房長官は、訪米中の岸田首相から冷静かつ毅然と対応し、米国など関係国と緊密に連携するよう指示を受けたと明らかにした。

 木原防衛相は防衛省で記者団の取材に応じ「極めて遺憾」と述べ、外交ルートを通じてロシアに強く抗議した。

 防衛省によると、ロシア機は西側から礼文島の北側の海域上空に接近し、午後1時3~4分ごろ、約1分間日本領空に入った。いったん領空を出たロシア機は、南北にジグザグ飛行した後、領空内をかすめるように旋回。午後3時31分ごろに約30秒間、同42~43分ごろに約1分間侵犯した。

防衛省

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