石川県・能登半島北部では21日午前、日本海から延びる前線の影響で猛烈な雨が降り、発達した雨雲が連なる線状降水帯が発生した。気象庁は午前10時50分、同県輪島市と珠洲市、能登町に大雨特別警報を出し、直ちに安全を確保するよう呼び掛けた。

輪島市や能登町では1時間雨量が100ミリ超との記録的短時間大雨情報が相次いで出された。輪島市では午後0時20分までの12時間雨量が303.5ミリ、珠洲市では226.0ミリに上り、いずれも観測史上最多記録を更新した。

気象庁の杉本悟史予報課長は記者会見し、22日には台風14号から変わった温帯低気圧が西から接近する見通しだと説明。「能登半島地震の被災地であり、まだブルーシートがかかっている家屋もある。雨だけでなく、風も強まる恐れがあり、(土砂災害や河川の氾濫に)最大級の警戒をお願いしたい」と述べた。

石川県によると、複数の河川が氾濫しており、陸上自衛隊に輪島、珠洲、能登の3市町への災害派遣を要請。輪島市で行方不明者が1人いるとの情報がある。

大雨の影響で氾濫した河原田川=21日午前10時40分、石川県輪島市(県河川総合情報システムのウェブサイトより)

気象庁レーダー画像に赤い楕円(だえん)で示された能登半島北部の線状降水帯=21日午前9時20分(同庁提供)

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