気象庁は21日、石川県能登北部で非常に激しい雨が降り続いているとして、大雨特別警報を午前10時50分に発表した。浸水や土砂崩れによる重大な災害がすでに発生している可能性が極めて高く、気象庁は最大級の警戒を呼び掛けている。
大雨特別警報が発表されたのは、石川県輪島市、珠洲市、能登町。いずれも元日の能登半島地震で大きな被害が出た地域だ。午前11時までの24時間降水量が、輪島市では290.5ミリ、珠洲市では200.5ミリで、いずれも1976年からの観測史上最大の雨量となっている。
石川県によると、21日午前10時現在、輪島市で1人が行方不明、建物の床下浸水が多数、床上浸水も報告があるという。同じく大雨特別警報の対象となっている珠洲市の人的被害は不明で、市内2カ所で孤立が発生。能登町では人的被害は現時点で確認されていないという。
輪島市の中心部・河井町では、冠水した道路に土砂も流れ込み、立ち往生する車が相次いだ。トラック運転手の男性は「道路が冠水しているのはわかっていたが、土砂が流れ込んでいて、埋まるとは思わなかった」という。「1時間くらい前から動けず、ロードサービスや消防にも電話したが、来てもらえるかわからない」と途方に暮れた様子で話した。
山形新幹線、山形―新庄で終日運休
気象庁は、北陸地方に加え、東北地方でも山形と秋田の両県を中心に激しい雨が降っているとして、注意を呼びかけている。JR東日本は21日、大雨の影響で山形新幹線の山形―新庄間の上下線で終日運転を見合わせると発表した。
気象庁によると、前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、大気が不安定になっており、22日にかけて断続的に激しい雨が降る見込み。
気象庁は、土砂災害や河川の増水、低い土地の冠水などへの警戒を呼びかけている。
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